密封包装食品製造業を行いたい場合には、許可なく行ってしまいますと、営業停止となり、行政処分や処罰の対象とされる場合があります。

「密封包装食品製造業許可」とは、2021年6月 食品衛生法改正前の「缶詰又は瓶詰食品製造業許可」に代わって設けられた、常温で相当期間保存することを目的として、缶、びん又はパウチ等、気体透過性の低い容器に内容物を充填し、密封や密栓をした低酸性食品を製造する営業許可をいいます。

この許可には、次のような取り決めがあります。

【密封包装食品製造業許可の要件】
◎容器は材質を問わない

◎殺菌は、容器包装に詰める前後を問わない
◎低酸性食品は、pHが4.6以下、又は水分活性が0.94以下の食品を除く
◎他の許可業種(清涼飲料水、食肉製品、水産食品製造・加工業、そうざい製造業等)の対象食品である密封包装食品を製造する場合には、缶詰、瓶詰、レトルト食品製造業の追加許可の取得は不要
※密封包装食品製造業向けの基準は満たす必要があります。
◎他の許可業種が存在しない密封包装食品である場合に、密封包装食品製造業許可が必要
◎密封包装食品に該当するソース類については、密封包装食品製造業の許可が必要
※「ソース類製造業許可」は廃止されました。
◎施設には、原料保管室、前処理室又は調合室、製造室、製品保管室及び、必要に応じて容器洗浄設備を設ける。なお、規模に応じて各室内には、作業区分に応じて区画をする
◎原料保管室は、必要な性能を有する冷蔵又は冷凍設備を設ける
◎製造室は製造する品目に応じて、解凍、加熱、充填、密封又は密栓、殺菌、冷却に必要な設備等を備える
◎営業施設ごとに、専任の食品衛生責任者が常駐する

次のいずれかの方が、食品衛生責任者になることが可能です。

【食品衛生責任者の要件】
都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した方
・調理師
・製菓衛生師
・栄養士
・船舶料理士
・と畜場法に規定する衛生管理責任者、作業衛生責任者
・食鳥処理法に規定する食鳥処理衛生管理者 ・食品衛生監視員、又は食品衛生管理者の資格要件を満たす方
※複数の施設での営業で施設が隣接している場合は、その複数の施設を1人で管理することが可能です。

密封包装食品製造業許可は、他の許可や届出が不要な密封包装食品(レトルトパウチ食品、缶詰、瓶詰の他、合成樹脂パック詰め食品(つゆ、ドレッシング、ジャム、シロップ漬け)等のうち、その保存に冷凍又は冷蔵を要しないものを製造する場合に必要となります。

ちなみに、次の食品は密封包装食品製造業許可の対象外です。

・米穀
・麦類
・雑穀
・豆類
・粉類(穀粉、豆粉、いも粉等を含む)
・でん粉
・乾燥野菜
・乾燥きのこ類
・茶、コーヒー、ココア及び麦茶(飲料は除く)
・乾燥パン粉
・焼ふ(焼麩)
・節類
・削節類
・粉末及び固形の調味料

また、次の事業も密封包装食品製造業許可の対象外です。

・食品や添加物の輸入業
・食品や添加物の貯蔵業や運搬業
※冷凍や冷蔵の倉庫業は届出対象ですが、冷凍車や冷蔵車は対象外です。
・常温包装食品の販売業(カップ麺、スナック菓子等)
・合成樹脂以外の器具や容器包装の製造業
・器具や容器包装の輸入業や販売業
A 製造室の基準
① 製造室は、他の場所と壁、窓又は戸により区画されていること。
② 製造室には、清掃がしやすく、かつ、じんあい等が落下しない構造の天井を設けること。
③ 製造室の内壁は、床面から1mまでは、耐水性材料で、清掃又は洗浄をしやすい構造であること。
④ 製造室の床は、耐水性材料で造られ、平滑で、清掃又は洗浄をしやすい構造であること。
⑤ 製造室の作業面における照度を100ルクス以上に保ち得る照明設備を設けること。
⑥ 製造室には、手指の消毒設備又は消毒器具及び流水式手洗い設備を設けること。
⑦ 製造室には、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備を設けること。ただし、製造室の周囲にねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備があるときは、この限りではありません。
⑧ 製造室には、食品、添加物、器具又は容器を保管するための保管庫又はふた付き容器を備えること。
⑨ 製造室には、食品、器具又は容器を洗浄するための流水式で、下洗いと仕上げ洗いを区分して行うことができる設備を設けること。
⑩ 製造室には、食品に直接接触する器具又は容器の殺菌又は消毒ができる設備を設けること。
⑪ 製造室には、水蒸気、熱気、煙等を排出することができる動力換気装置を設けること。ただし、施設全体で十分な換気又は空調が行われている場合は、この限りではありません。
B 包装室の基準
① 包装室は、他の場所と壁、窓又は戸により区画されていること。
② 包装室には、清掃がしやすく、かつ、じんあい等が落下しない構造の天井を設けること。
③ 包装室の内壁は、床面から1mまでは、耐水性材料で、清掃又は洗浄をしやすい構造であること。
④ 包装室の床は、耐水性材料で造られ、平滑で、清掃又は洗浄をしやすい構造であること。
⑤ 包装室の作業面における照度を100ルクス以上に保ち得る照明設備を設けること。
⑥ 包装室には、手指の消毒設備又は消毒器具及び流水式手洗い設備を設けること。
⑦ 包装室には、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備を設けること。ただし、包装室の周囲にねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備があるときは、この限りではありません。

以上、密封包装食品製造業許可についての解説です。